有栖川有栖『スイス時計の謎』『モロッコ水晶の謎』

 国名シリーズ2編。どちらも有栖川さんらしい作品だったと思います。本格推理小説という枠組みを忘れずに、フェアに書き込んでる感じが好ましい。中に入ってる短篇は読んだことがあるのがちらほらありましたが、『モロッコ』は、トリック…というか、犯人の仕掛けた行動の理由に面食らいました。3人の誰が飲むか分からないジュースに毒を入れる。そのうちのひとつは自分が飲まなければならない。そのカケにまさかあんな理由ごときで臨めるなんて。しかしアリスの巻き込まれ体質も相当なもんじゃないかとこの2冊を読むと思います。

スイス時計の謎 (講談社ノベルス)

スイス時計の謎 (講談社ノベルス)

モロッコ水晶の謎

モロッコ水晶の謎