日明恩「ロード&ゴー」

凄いスピード感です。そして、相変わらず泣かせてくれます。
警察、消防ときて今度は救急。
日明さんの物語は知っているようで知らない仕事の現状を教えてくれます。
私は救急車を使った経験がありません。幸いなことに同乗したような経験もなし。
だから、受け入れ先が見つからないとか、救命士が何もできないとか、腹立たしいしおかしいとは思うけど、それだけでした。
この本は、そういうこともちょっと考えさせてくれる作りになっています。


でも、それよりも何よりも秒針を刻む感じの素早い展開に息を飲みます。
生田の兄貴がカッコイイんだ!! ほんとに、この人、すげぇ。
運転技術はもちろんのこと、妻のことをあそこまで手放しに誉められるのはカッコイイ!
あと知らないことは知らないと言い切れる所も素敵。
仕事に誇りを持って、家族に愛を持って、仲間に真摯である。
本当に良い漢やー!てなりました。
森ちゃんもかなりイイです。イメージ柴崎コウなんですけど、もっとショートカットなイメージの人のがいいかな。
筒井さんも本当に良いおっちゃんでしたし、これはもう映像化しないでどうするんだ、と!!

ただ、もうちょっと雄大さんとかはっきり出てきたら嬉しかったな…と思わなくもない。
そういう意味では、これだけ読んでももちろん面白い作品なんですが、できれば「鎮火報」と「埋み火」を読んでから読まれると、さらに面白いと思います。生田の兄貴がどういう風に見られているかが分かります(笑)

ロード&ゴー

ロード&ゴー