白河三兎『プールの底に眠る』

最新のメフィスト賞作品は「青春ノスタルジィ…ちょっと暗めでやさしめ」て感じでした。
好きな人多そうだなぁ。
少年少女が抱えるココロの闇は、結構残酷に複雑で、痛々しいくらいに捻くれてる。それがわりかし美しめに描かれていて、昔を思い出すのに十分な感じでした。

ミステリとしては、叙述的な部分がポイントなんですけど、まぁ瑣末なことかな?
寓話的な部分がもう少しリンクしてたらもっと好きになってたかもしれません。


「男女の間に友情は存在しているのか」みたいなのもテーマでした。
断然マザと由利の関係を応援するんだけど、回りがそうは見てくれないのはもどかしいですね。
愛してないけど一番の理解者という異性の存在にはあこがれるんだけどなぁ。


馴れ合いの関係が下手くそで、だましだまし大人になった人達にオススメです。

プールの底に眠る (講談社ノベルス)

プールの底に眠る (講談社ノベルス)