西尾維新『きみとぼくの壊れた世界』

西尾維新きみとぼくの壊れた世界』(講談社ノベルス
 ええっと……男の人にはウケがよさそうな話です。可愛い女の子が出てきます。そういえば、西尾作品ってどれもそうですね。可愛い綺麗な素敵な女性がたっぷり。だけど、コレはマジに男の人(オタクな感じの)が好きになる話かな、と思います。ぶっちゃけ言うと、「妹萌〜♪」な人にオススメ。主役の妹の夜月ちゃんが超可愛い。そりゃ兄ならシスコン決定。でも夜月ちゃんは兄一筋。まぁ近親相姦一歩手前〜みたいな雰囲気が溢れかえってます。「壊れた世界」…です。もっとも、内容的には、もっと深い意味で「壊れた世界」のことが書かれているのですが、ささーっと読むと、もうこの兄妹のことばかりが頭に残ってなりません。

 でも様刻くんのことは、怖くて巧く語れません。つきつめて言うと、犯人は、彼じゃないか…という気さえしてしまうのです。「後期クイーンの問題」とかなんとか。病的でおかしいです。主役にこんなのを持ってきていいのでしょうか?

 病院坂黒猫さんはなかなかウザイ喋り方してくれて、まわりくどくて嫌なんだけど、でもなーんか奥が深くて好き。保健室でやってることに関しては……しっかり書かれていませんが、別にどうでもいいか…という気分もあります。というか、深くを知りたくない。

 イラストも素敵に「妹萌」な感じが出てます。今流行の感じ。アニメっぽくて、シンプルで、女の子が可愛い。そして、全体的に西尾維新、自分自身に宛てた物語に思えてなりませんでした。自分を戒めるための話、なんてね。

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)