伊坂幸太郎『魔王』

 今日は昼から読書。伊坂さん読み切りました。
伊坂幸太郎『魔王』(講談社
 伊坂さんにしては、ちょっと重いかな〜、というのが第一印象です。いつもの伊坂さんらしい魅力的で、シニカルな会話は健在なのですが、テーマがなんだか重い。政治とか、未来とか。ただ、危機感を覚えたのは事実です。私達は、生きていく上で、諦めを覚えすぎている。妥協を知りすぎている。曖昧を愛しすぎている。だから、世界は変わらない。それを変えるには、さてどうしよう? …そんな問題提起をされたような気分になりました。
 出てくるそれぞれの大人達が、ぼんやりと、社会についてを語るのですが、そのどれもを共感できて、どれもに首を捻る。難しいなー。今、この時、この年齢で読むのが正解な本だとは思いますが、「私って、甘いな」と感じるしかない。そういう意味で、非常に読んでいて痛い本でした。いや、伊坂さんは大好きなんですよ? 「考えろ、考えろ」というのがしばらくマイブームになりそうです……。

魔王

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