高田崇史『QED ventus〜鎌倉の闇〜』『QED 鬼の城伝説』『QED ventus〜熊野の残照〜』

 このシリーズは、どこから読んでも多分大丈夫な作りになっています。登場人物の関係なんかは深くは書かれませんけども、「事件」的なものはつながってはいませんし、読めるはずなのです。ただ、順番に読んでいるからそう感じるだけかもしれませんが、これは順番に読まないと、歴史的な背景を色々見落としがちです。前回明かされた…証明された…推測された…そのような歴史の謎を踏まえた上での、次の巻の推測…となっていくので。奈々ちゃんが頑張って回想なり、説明なりを挟んでくれますが、それでもおいてけぼり喰らいがちです。しかも、奈々ちゃん、ちょっと成長しているし!! タタルさんの話にそこまで食いつけるようになったら、あんた立派なもんですよ。←そりゃもう何冊か分勉強させられたらな…。

 ventusシリーズは、「風」の副題の通り、さらりと読める物語のはずなんですけど…しかしタタルさんはそうはさせてくれない。一応「旅物語」なはずなんだけども、とことんまでその土地の周知の事実である歴史を塗り替えてくる。鎌倉は、前回に引き続き妹大活躍でしたね。熊つ崎さんとのコンビがパワフルで好きです。つきあっちゃえばいいのに。←その前に姉だな…。岡山は…うん、ちょっとタタルさんが不本意そうだったのが印象的でした。ほんと、殺人事件とか興味ないんだよね。昔のものしか……(笑)神が殺されたとか、追い出されたとか、大好きなのに……。熊野に関しては、ほんと、目ウロコですよ。まさか、熊野三社がそのような関係にあったとは。祀られている神によって、そして文字によって、……真実ではないにしろ……色んなことがパズルのように埋められていく様は嘆息もの。文字の力って凄い。それこそ「呪」ですね。それから、この巻で初めて?奈々ちゃんは事件らしい事件に遭遇していないことになります。良かったね!! 本当に。しかも、第三者の視点で書かれているので、かなり愉快でした。タタルさんに対するイメージが(笑)「変態か」とか言われてるし。でも、抱きつくのは確かにびっくりですよ。どきどきはらはらしている奈々ちゃんはたいそう可愛いと思いますが。

 そうです、少しばかり進展しているような気がしないでもない、タタルさんと奈々ちゃん……。微妙に…ですけどもね。奈々ちゃんは一応、意識しまくりですから。タタルさんは……唐突に結婚とか申し込みそうだなぁ。結婚する主義らしいから←妹談。でも抱きついたり…顔スレスレとか…ほんと、心臓に悪いから(奈々ちゃんのな)。

 まだまだQED期間は続きます。あと3冊。

QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)

QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)

QED 鬼の城伝説 (講談社ノベルス)

QED 鬼の城伝説 (講談社ノベルス)

QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)

QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)