高里椎奈『本当は知らない』『双樹に赤 鴉の黒』『蒼い千鳥 花霞に泳ぐ』
久々の薬屋探偵シリーズです。もう文庫で買うことを決心してから買っていないのですが(その割りに文庫も買っていないことが判明しました…)、せめて買っていた分だけでも読んでしまおうと、3冊一気。面白かったです……なまじハマったことがあるので、「うぉ、続き買ってしまおうかなー…ノベルスで」と思ってしまったのでした。買いませんけどね。最初の方、引っ越しの時に泣く泣く(嘘)「これ以上は持って帰れないから、古本屋に…」な選択をした本なので…。
でも可愛さは健在。座木さんの天然口説きボケっぷりが楽しめました。特に過去を描いた『双樹…』では、かなり……。可愛らしい。口説きは押さえ気味ですが、天然さが際だつ……彼にも若い頃があったのか、みたいな内容でした。友達がいたことに驚きです。人間の世界で上手くやっていくのを学んだ…という最初の部分なのでしょう。ああ、それから彼の本当の容姿にもメロメロです。リベザル羨望の、黒い獣。狐? かわいーかわいー。秋に毛皮呼ばわりされてますけど、すらっとした座木さんの感じがまんま現れた容姿に違いないと思うので、是非見てみたいです……。
でも、高校大学時代に読んだのとは別な感想も。高遠さんの魅力が分かってきました…。秋も格好いいし、座木さんは素敵ですが、それよりも何よりも、高遠さん。高遠さんって、こんなかっこよかったんだ。ただのやる気のないオッサンなのに。でも自分の内にある正義を信じて行動する。その様に終始うっとりでした。あと、御兄弟もな。頭が良いのにオバカで、愛おしくなります。
秋は人間が好きで、だから人間と関わりたいけれど、どこか一線を引いてそうすることで自分が半端モノであることを認識させているように思えます。それでも態度の変わらなかった彼の友人達になんだか救われた思いがしました。秋は秋。それでいいじゃないか、と。
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