蘇部健一『六とん3』

 いやぁ、アホでした。もう、その一言に尽きます。すげーなー。でも出るんだから、需要もあるんでしょ、となんか皮肉っぽく言いたい所。下品だし、下ネタだし、アホくさいトリックだし、もうどうしようもなくむかつくんですけど、クセになります。特に私は引用文の選び方が秀逸だと思うのですよ。内容読んでからもいっかい見たら「ああ、あははははは!」となるから。特に、トリックのあの台詞を引用したのは、××という言葉を出したかったからで(ネタバレのため伏せ字)……「アホや、この人」……結局はそう呟くことになるんですけども。でも、前回も言いましたが、「世にも奇妙」っぽい作り方は、なかなか好ましいです。絵が浮かびやすいし。いつか使われたらいいのにね。

 個人的には最後の「赤い糸」がかわいくて好きです。ところで、『届かぬ想い』が人気がないって本当ですか? 私は児童書と一緒に意外に好きなんですけどねぇ。まぁ、まだ『恋時雨』はまだ読んでいないのは確かですけども…そんなに買いにくい作家ですか、この人。

六とん3 (講談社ノベルス)

六とん3 (講談社ノベルス)