電王最終回

 一年間ありがとう!! ほんのり抜け殻です。目が重いですが、心地よい重さです。なんと言っていいか分かりませんが、とにかく、辛い日々を乗り越えられたのは、これに出会えたからです。ありがとう!! そしてお疲れさまでした!!



 では、最終回を細かく見ていきましょう。

 ゆーとが、悲劇のヒーロー然としていて、とにかく素晴らしかった。カードを使い切ったのに、まだ戦おうとするあたりとか、ヒーローだと思った。「過去が希望をくれる」その脅迫じみたしがらみを甘受した、あの子の強さは計り知れないと思う。未来の自分に奔走されて、未来の自分の恋人を守りたくて、だけど最後は自分自身の気持ちできちんと時を大切にしたんだと思うと、じんわりと温かいものがこみ上げてきます。毅然としたヒーロー。中の人とのギャップも相まって、最終的にはこんなに好きになりました。夏頃の自分に教えてあげたいです。



 モモと良太郎については、もう願っていた通りの最終回だった。良太郎の表情が今回は特に際だっていたね。「この時間は絶対に消させない」の力強い眼差しに惚れた。モモの「ああ」も低く力強く、とにかくバディとしての絆の深さを感じた。かっこよすぎる!! …と思った所で過去に残した2人の俯瞰図。………涙の堤防決壊。だーっ!!

 モモの「2人だけなんだからな」にリュウタは?と思った人が多数いたと思うけど、ここにも一つのドラマがあったんだろうな…と。リュウタ、体育座りでデンライナーの中に残っていたことを思うと、きっとモモとの間で「行くぞ、洟垂れ小僧!」「……僕、行かないよ…」「あぁん?! 良太郎がどうなってもいいって言うのかよ!」「だって、かめちゃんもくまちゃんもまだ帰ってきてないのに!!」「……だから行くんだよ…」「いやだ!! いかない!!」「好きにしろ」とかいうやりとりがあったんだろうな…と。描いて欲しかったけど、文句は言いません。でも、リュウタの扱いを視聴者の想像に任せるあたりが憎い。

 まさか「望みを言うよ」があんなに序盤だとは思わなかったので、びっくりしましたが、「僕と最後まで一緒に戦ってくれる?」だとは……(もっとお笑い路線でラストにもってくるかと思っていた。オチみたいな…)。そんなに決まり切ったことなのに。ここで一気に涙が溢れた。「おまえの望み聞いたぜ」…ここのモモかっこよすぎる。関さんかっこよすぎる。2人の並んだ姿がたまらん。しっかり目に焼き付けておこうと思った。



 素手戦うゆーと。それに必死になるデネブも最後まで星組らしくて泣けた。でも、デネブかーさんの低い声!! デネブ体なのに、変身後みたいな声だった。凄い。カッコイイ。ほーちゅーさんさすが!!



 カイがとにかく可哀想な子でしかたありませんが、最後まで気持ち悪かったので、良かった。悪役に救いを与えてあげて欲しいけど、でもヒーローものはこれでいいんだろうな。勧善懲悪。でも石黒くんが素の顔の時すごい可愛いことに気付きました。なんだかなー……1ポンドの福音見ようかなー…出てるらしいしなー…



 良太郎のピンチにリュウタまで飛び出す。危険なのを顧みずに、もう帰れないことを分かっているのに、飛び出す。……この子、凄い優しい子だ。ここにもうるうるっときたよ。しかも、落下する良太郎を受け止めようとしたよね……。ああああ、あんなほそっこい体なのに。



 ……とまぁ、ここまで全然息がつけませんでした。CMに入って、息を深く吐き出した自分に気付いた。



 崩壊はさすがにクライマックスじみた大きなものでしたが、それよりもドキンときたのはリュウタの「僕なんにもできなかった…」といううなだれ方でした。イマジンの成長の物語だとは思ってたけど、こいつぁー凄い。こんなこと言う子じゃなかったのに。それを宥める…というか「これからだよ」と諭す良太郎も男前な事といったら。あの一瞬の頭ポンにかなり萌えた。そう、リュウタの頭を撫でてあげて!! 偉いって褒めてあげて!! できたらキンちゃんとかウラがその役目を担ってほしかったけど(きっとデンライナーの中でやってただろうと思うので)良太郎がやっているシーンを見られて眼福でした。

 そして、ハナさんが愛理さんの子供だと、未来の特異点であることがカイに明かされる。ハナさんは、それを知った後で愛理さんを見てどんな気分だったのかな……。おかあさん…なわけでしょ? 「守ってくれてありがとう」なのかな…。でも、どうせなら、白鳥さんが帰ってきてほしかったな。あの、未来が守られた時点で、「あれ?!」みたいな風にハナさんに戻って欲しかった。だって、未来が守られるってことは、大人になったハナさん自身も守られたってことでしょう? 結構期待してた視聴者多かったと思うんだけどな。



 さて、ここからが理解不能な所ね。ゆーとね。桜井さんがデネブに託していた最後のカード。桜井さんの記憶を残す者がまったくいなくなるから、「侑斗は桜井と違う時間を歩むことができる」別の人生を歩める…とかいう雰囲気だったけど、どういうこと? ここが理解できん。この桜井さんに関してはマジでよくよく考えないと……まず桜井さんがゼロノスになる→カードを消費していって周りからどんどん忘れられる→デネブと契約→過去の自分にゼロノスになって未来を守るように言う→ゆーとが変身に使うカードは、桜井さんのもの。使えば桜井さんに関する記憶をみんながなくしていく→誰も桜井さんのことを覚えていない「今」ができる→それでもカードが足りず、「今」生きている自分まで犠牲にしてゆーとは変身する(錆びても強い)→そのカードさえなくなる(ゆーとのことを覚えている「今」の人はいない状態)→デネブが桜井さんのラストのカードを渡す …………ん? 整理したのに意味がわからん。私アホ? だから、桜井さんの存在がまったく無になったから、愛理さんのもとからもラスト消えた…ってこと? え、意味がわからん。記憶が存在…ってことは、存在がなくなって、生きてることもなくなって、だとしたら、ハナさんもいなくならない? ゆーともいなくならない? 最後まで悩ませてくれる。ちょっと、助けて欲しい。SFに強い人!! 誰か!! まぁ、デネブのセリフだけを考えるなら、ゆーとのいる時間からの未来ってのは無数に存在していて、それこそ愛理さんと関わらない未来ってのも有り得たわけで、桜井は過去の自分に対して免罪符を持っていた…というか「これで許してくれ、自分とは違う人生を歩んだらいいから」という風に思っていたということですよね。でもゆーとは絶対に愛理さんと出会って、ゼロノスになって、同じ未来を紡ぐだろうなぁ。ゆーとはそういう人間だ。



 キンちゃんとウラが出てきた段階で、ほっとしてまた泣きかけた。「え…どうして…」と良太郎と同じように思ったけど、さすがナオミちゃん、ぐっじょぶ!! オーナーいなかったら好き放題。拾いまくり。…というわけで、これまた色々問題の残りそうな(根底を覆すような)行動ですけどねー、「それができるならアレだって」みたいな気がしますが、まぁ眼を瞑りましょう。リュウタがやたら嬉しそうだったので、見ていてこちらも嬉しくなった。もうスーツアクターさんの真髄を見たね、近寄っていく動きだけで表情が見えるの。背中で語る。わくわくきゃー!!がオーラになってる。



 2人の変身はとにかく素敵。良太郎が信頼している眼差しをゆーとに送ったのでノックダウンされかけた。



 「俺達はかーなーりー強い!」の2人にも燃えた。そうそう、コンビでそうやって欲しかったんだよ。背中合わせで興奮した。ぐーにした手を上下にぶんぶん動かすような興奮の仕方です。漫画のような。



 キンちゃんとウラのカッコイイことは前回前々回から引き続き。消失の美学。復活した者はいつだって強い。でも、嬉しそうなんだよねぇ、戦いながら、2人がなんか生き生きしていてモモみたいだった。一緒に戦えるのが嬉しくて、もう一度良太郎を、そして良太郎の大事なものを守るチャンスを与えられたことが誇りに思えて仕方ない…ってな風に感じられた。でも、できるなら、拾われた時のデンライナーの中での会話とかも見たかったな…「キンちゃん?! なんで?! え、ナオミちゃん?!」とかウラが慌てたらいいと思う。「良太郎ちゃん助けに行きますよ!!」「………いいの?! 勝手にそんなことして?! いや、これでもかってくらいカッコつけて降りたから、いまさら乗りにくいんだけど?!」「わけわからんこと抜かしてんとはよ行くで!」「いたい、いたい、ひっぱらなくても行くけどっ!! あーもー!最後まで決めさせてくんないなぁっ!!」みたいなやりとり希望。……さっきから、私は見たいけど足りない部分を自分で補おうと必死だ。



 ジークの登場もかなり予想外で嬉しかったねぇ!!!! まぁネタバレで出てくるのは知ってましたけども。それに、三木さんが嬉しそうで嬉しそうで……。声だけで、しかもあの傲岸不遜キャラで嬉しそうなのが伝わるって素晴らしいなぁ。多分、視聴者よりももいっかい出られることが分かって喜んだのは三木さんと永瀬さんだと思う。しかも、セリフも思った通り王子でナイスでした。ハナさんのピンチに駆けつけるなんて、ほんとに王子様じゃねーの?「姫、小さくなった姿も麗しい…」 あははははははははは!!! なんでもいいんだ。というか、なぜそこまでハナさんを好きなんだ。この鳥。マゾ疑惑発生。殴られて目覚めたな、きっと。いっぽんぶっ飛んだな。「家臣一同」扱いされてる4タロスも可愛かったけども。でもナオミちゃんは「ついでに拾っちゃいました」的な扱い。きっと一筋縄では兄弟のモトを動かないと思うけど、「ハナさんがピンチです!」とか言われて速攻で「なに、姫が危険だと? 何をちんたらしているのだ。はやく出せぃ!!」となるんだ。さっきから、補充に必死な私……



 ゆーとの「デネブ来い!」もこれが最後かと思うと切ないけども、かっこよかった。2人そろっての「最後に言っておく!」も良かったね……。「ゆーとをよろしく」「バカ!!」も星組らしさ満開で大満足です。にんやり。



 ラストは、デンカメンソードか、クライマックスさんか、とにかく四人一緒に戦うかと思ったら、やっぱり仮面ライダーだった。単体。そうだね、戦隊ヒーローじゃないもんね。合体する必要はないよね。でも、あのバトンみたいにソードの放った光が次々に回されてく様がかっこよかった。それぞれ特徴のある回し方で(ジークはどうなんだ、アレ)。リュウタも可愛かったし。で、「俺の必殺技、ファイナルバージョン!!」 そうか、4とか出してくるかと思ったけど(笑) そこはファイナルでいいんだ。



 カイもろとも一瞬で砂砂になって消えた所で、呆然としたけど、ここはまぁ何かオチがあるんだろうと想像できました。いや、なくても良かったけど、「電王おわり!」って感じの終わりだと言うので、きっと笑いを挟むならココだろう…と。でも、分かっていても存外堪えましたね。呆然としたりょうちゃんと、走り出したゆーと。

 ゆーと。ゼロライナーの中はとにかく泣けましたねー、温かそうなゴハンが用意されていて、椎茸たくさんで………。デネブがどんな覚悟でこれを作ったのかと思うと……。そりゃゆーとじゃなくても泣くわ!! 「椎茸ちゃんと食べて」という手紙もデネブらしくて泣けた。どこまでもゆーとのことを心配して、でも一番の心配は好き嫌いがあることなんだなぁ……うう、泣ける。



 良太郎はいわずもがな。「まだ話したいことがあったのに…さよならも言えなかった…」このテンションが、ここで終わりじゃないと分かっていても辛いものがありました。…で、一気に笑いに転換!!! さっすが電王! やすこにゃんやりやがる。まだ消えてなかったんかいー!! 五人でこそこそ「出て行き辛い…」と話す所、可愛くて仕方ない。モモの看板が可愛い。誰が行くかでもめるなんて、デンライナーの中っぽくて、あははは…ってなった。ジークを止める四人の!」も今更ながらのシンクロ具合で笑えた。その後の黒い良太郎「何やってんの」も良かったねー!!



 記憶が彼等を存在させるんです……という意味合いに、これまた「それがアリならこれも…」とか思わないでもないけども、ま、良太郎がダイブしていった様が信頼感たっぷりで可愛かったので良し!! もう言うとなし!! 泣きながら行こうとして倒れた…とかになるかと思ったけど、勢い良くダイブだったな。良太郎思い切り良すぎるよ、あのシーン。でもスーツアクターさんたちの力強さにうっとりした。なぜに胴上げなのかは分からないが。

 一方で、ゆーととデネブ。こっちでしたね…突進抱きつきは。あんな泣き顔で、泣き声で「しいたけいれんな…」は卑怯ですよ!! プロレス技かましてくるかと思ったら、がっしり抱き締めあうなんて!! あれ、ゆーとじゃなくてね、ゆーいちくんですよね。素の演技ですよね。愛おしくて、どうかなるかと思った。デネブも頭撫でてやるじゃないですか、「ただいま、ゆーと」って。ああ、星組は最後まで癒されるなぁ。



 桜井さんは、最後まで顔を出さない……まぁそれでいいか。なんか愛理さんが切ないままな気がするけど、未来に希望が託された…ってことで。なんかシングルマザーとかなりそうな雰囲気でしたよね。消えたから。でもきっと、大丈夫。おっとりしたお母さんを娘は守ってくれるからね。あんだけ強い娘が生まれるってのは……不思議ではありますが。きっとおざみうもシングルマザーの愛理さんに「自分が父親に!」て言いより続けるんだよ。でも赤ちゃんのハナさんにとにかく泣かれるんだよ。あやしたいのに、とにかく大泣きされるに違いないよ。そしてコハナちゃんくらいの年齢になったらパンチを繰り出すんだよ。「母さんは私が守る!!」…良太郎に至っては、彼女の心配とかまでしそうだ。………は………いきすぎた未来を想像。自重します。



 パスを返すシーンは晴れ晴れしかった。うん、もう思い残すことはない。いいじゃん、お別れしなくていいじゃん…と思ったけど、電王になる必要はもうなくなった。イマジンは襲撃しない。モモ達はデンライナーの中で見守っている。……それでいいじゃん…と思えました。すっきりした気分。お別れは淋しいけど、これが妥当なんだという感じ。卒業式…みたいな。「愉快であった」というジークの言葉に「うんっ!!」てなった。それぞれみんならしいお別れで、でも愛おしくて、じーんときた。「また会おうぜ」が、ホントになることを祈りつつ、良ちゃんのとびきりの笑顔で締めくくったので、満足でした。ゆーとの笑顔も可愛かったし。



 いつか、また………。





 本当に、一年間、ありがとう………。

 こんな素敵な作品に出会えたことは決して忘れません。

 出会いを振り返るのは、また明日以降、落ち着いてからにします。

(ところで、五千七百文字も書いている感想って気持ち悪いね)