「母べぇ」

 見てきました。





 号泣。





 映画が終わっても、涙が止まらなくて(寧ろ終わった瞬間の余韻が凄くて)、なかなか立てませんでした。同じようなお客さんが多かった。そりゃ泣くだろうとは思ってたけども、こんな風に泣くとは……。予想外。良質の映画を見たという気分になりました。普通の映画って、どんなに面白くても途中で「ああ、座ってるのしんどい」ってなるんですが、コレは一気。もう全然二時間半が気にならない。素晴らしい映画というのは、時を忘れるものです。

 吉永小百合さんが、とにかく綺麗です。優しく、凛とした母。夫の帰りを諦めずに待ち続ける切なさと、娘達を守る毅然とした強さがよく出ていました。この人は最後の銀幕スターなのだと思います。スクリーンに映ってこその女優。

 それから、浅野さん。あんまり好きなタイプではないのですが、やっぱりこうやって見ると、凄い味のある、オーラのある役者さんなのだと思います。ちょっとクセのある人間ばっかりやっておられるように思うのですが、今回は頭が良くて優しくて不器用な青年。出兵する所は泣いたなぁ。最期のシーンも。下手に恋心を描かないのも良かったです。これで惚れた云々の話があったらちょっと興ざめだっただろうから。

 子役2人は抜群に巧いよね。志田未来ちゃんは言うまでもなく。あの複雑な思春期の具合が素晴らしい。

 戦争をモチーフにした映画というのはどうしても暗くて陰惨で見ているとしんどくなるのですが、そこはこの映画では描かれていません。描かれているのは、家族の形。そして、人の温かさ。だけどもやっぱり「自由に物が言える世の中がどんなに幸せなことか」「戦争はただただ哀しいだけの馬鹿な行いか」というのがビシビシと伝わってくるのです。凄い映画だなぁ。

 ただ、これは母親をしている人(変な表現)が見ると、もっと深く思うことがあるだろうと考えます。家族を守り抜くという覚悟というか決意って、ホントにその立場の人しか分からないと思うので……。だけど、誰が見たって、抜群に良い映画なのは確かです。

 



 そして、また見たい映画が増えました。「明日への遺言」。がーっ、まだまだ終わらない、映画期間!! 次は「KIDS」だ。場合によっては一人で「L」。そん次が「チームバチスタ」で、多分「明日への遺言」か「ONE PIECE」がきて、「死神の精度」。あとね、「音符と昆布」とか「ネガティブハッピーチェーンソーエッジ」も見てもいいかなー…と(ただ両方もうすぐ終わる)。