辻村美月『スロウハイツの神様』

初辻村作品。
結構読みやすい感じでした。ちょっと食わず嫌いしていたかな? 女性の描くちょっと甘酸っぱいというかキラキラした青春とか、ほの暗い青春とか、なんかあんまり好きじゃないなー…て思ってしまっていたので……。
でも、まぁいい感じでした。

一言で言うと、「現代の、若者達の、トキワ荘」みたいな感じ。若いクリエイター達が共同生活をする中で得ていくものと、友情とか恋の大切さとかそういうのを丁寧に描いています。

「ああ、こんな若い頃があったなぁ」と思えたら、その人はきっと幸せだし、「羨ましいなぁ」と思う人にはちょっと眩しいくらいかも?

でも、最後の方は結構泣けます。
種明かしというか、伏線のまとめ方というか……。
仲間が大事で、好きな人が大切で、自分には大好きなことがある。
それはとても美しいと思いました。私も他人からそのように見えていたらいいな、と思います。

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)