伊坂幸太郎『SOSの猿』

「誰かが痛い痛いって泣いてるんだ」
人のSOSの発信が気になって仕方がないという主人公と、唐突に挟み込まれる猿の語る因果関係を探る「青野」という男の話。
どこでどう関係してくるのかと思ったら、どんどんリンクしていって…だけど、どこかちょっズレていて……。
伊坂作品を知っている方にはネタバレになりますが「アヒルと鴨」と「ゴールデンスランバー」を足した感じかな?
相変わらずの伏線っぷりで、だけど大きな大きな幸せとかびっくりするようなハッピーエンドとかってのはないの。
「人生なんてそんなものか」という感じはする。だけど、少しずつ組み合わさった「奇跡」がやっぱりいとおしく映る。
それぞれの出した結論というか「これから」が素敵だな、と思うのです。

SOSの猿

SOSの猿