はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ2』

 昼間本屋ではやみねかおる『都会のトム&ソーヤ2 乱!RUN!ラン!』(講談社をようやく購入。ああ…見つからないかと思いました。児童書に置いてあるからね…。ちょっと探してしまいました。もう最近の本はジャンル分けが分かりません。児童書くらいはまぁ想像付くのですが、「日本文学」とか「ミステリ」とか棚が分かれると、もう「はぁっ?!」ってなります。乙一さんとかね、扱いに困るみたいです。舞城さんとか、はやみねさんとか。ライトノベル出身、ミステリ出身、児童書出身なんだろうけど、出すモノがそうとは限らないものね。しかし、T市にいた頃、よく行っていた本屋…ずっと北村薫を女性作家の棚に入れてありましたが、もういいかげん男性作家の棚に入れ直しされたかしら? 有栖川有栖は男ですし、五條瑛は女です。そういう名前の人も増えてきてますし、もういいかげん、男女で作家の棚を区別するのはやめたらいいのに…とか思うんですが、書店はそうもいかないのかな?

 でもって、早速読み切ったので、感想文。

はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ2 乱!RUN!ラン!』(講談社YA!ENTERTAINMENT)
 やっぱり内人と創也は可愛かったです。天才だよね、ある意味。どこにでもいる普通の中学生なんだけど、でも普通じゃない。おおよそ中学生が持ち得ない帝王学的な知識とか、おおよそ中学生には必要ないサバイバルな知識とか……今回も思う存分発揮してくれました。そう、必要以上に。

 いいコンビだと思います。かたや大グループの御曹司、かたや超一般ピープル。だけど、見事なコンビネーション。多少内人が振り回されている感じもしますが、でも創也は内人を信頼しているし。だからこそ、奇妙な冒険ができるんですよね。西さんの絵も、それをよく補足してくれていて可愛いったらありゃしない。

 でも今回の「ゲームの館」でシリーズが終わってもおかしくなかったかな〜と思います。簡単ではあったけど、劇的だったので。創也の決心がなかなか男前に描かれていましたし、ゲームクリエイター「栗井栄太」の謎も解かれましたし。私はここでエンディングでも大満足なんですが…まぁまだどうやらスタートラインみたいですしね。まだまだ栗井栄太との戦いは続くのでしょう。次の作品も楽しみです。

 そして、改めてはやみねさんを凄いと思いました。ほんのり、羨ましいとも。「赤い夢の住人」は、変わらずに読者と同じ目線で物語を楽しんでいる。こんなに生き生きと中学生を描けるのは、やっぱり自身の中学時代が充実していたからだろうな、と思うのです。そこが凄いと思うし、ほんのり羨ましい。殺伐とした中学生を書く人は多いですが、こんな風に真面目に楽しく中学生らしく生きている中学生を描ける人は少ないと思います。バカなことって、やっぱやっとくべきなんだろうな、なんて思いました。

都会のトム&ソーヤ (2) 乱!RUN!ラン! YA! ENTERTAINMENT

都会のトム&ソーヤ (2) 乱!RUN!ラン! YA! ENTERTAINMENT