ミスポリ感想文・昨日のGUNLOCK

 読み切りました、「プリーズ・ミスター・ポリスマン」シリーズ五冊。一気に感想文いっちゃいましょう。長いです。真面目に読む必要は…まぁないかな。
竹内照菜『プリーズ・ミスターポリスマン』『恋に溺れて』『言葉に、ならない。』『夢を、見ている。』『ずっと、夢を見ている。』(いずれも竹書房文庫)
 本屋で新刊の五巻が何気なく平台に並んでいる時から気になって、気になって、気になって……ようやく全部揃えて読みました。でも気になったのは「ヤクザ×警察モノって、結構王道で好き〜」って感じに過ぎなかったのですが……アタリでした。その時「だけど“プリーズミスターポリスマン”っていうシリーズ名って、あんま良くないな〜。「お願い刑事さん」なんて…よわっちいヤクザっぽいし…」とか思ってたんですが、読み切ってみたらそのシリーズ名が真に正しいことを知りました。「お願い」「お願い」…と六条が切ないくらいに想い続けるのです。

 天然で、がんばりやさんで、それで懐が深くて、優しくて…そんな受はよくあると思います。ひたむきに頑張っていて、暗い世界にいる人間をたまらなく引きつけて、全て許して愛してあげられる人間。本当に素敵な人だと思います。六条じゃなくても惹かれます。だけど、自分が闇の世界に生きている人間で、分不相応だと知りながら惹かれて、それでも間違いのない愛を手に入れる攻って…あれだけ煩雑しているBLの世界でも意外に少ないんではないかと思います。

 私が想像したヤクザ攻の展開ってのは「無理矢理拉致って」「わけがわからないまま自分に惚れさせて」「最後に自分が好きだったからと告白する」というパターンなんです。だけど、ミスポリは違う。「貴方を愛することを許してくれますか?」と問いかける。そのひたむきなまでの優しさに打たれました。六条は、いつまでたってもユキのことを「上等だ」と言い、そしてそんな上等な人間に自分は相応しくない…と思うのです。ユキがどんなに「好きだ」と言っても、自分のしてきたことと、生きる世界を常に背後に考える六条は、なかなかに素直に受け入れられない。五巻になるまで、「ユキが自分に惚れている」ということにさえ気づけなかった程。そういう意味では非常に六条も鈍感だと思います。だけど、それは一重にユキを大切に思う余り。絶対に、ユキの負担にならない、と誓う。時に破壊的な欲望が襲っても、まるで敬虔なクリスチャンのように、ユキを大切に、大切にしている。そんな六条に胸が苦しくなります。切なすぎます。一方で、辛辣で冷酷なヤクザの顔を覗かせて、一方で捨てられたくないと泣きそうな顔ですがりつく子供のような顔を見せる。…こんなに人を不安にさせる攻はいないと思います。

 だから、特に4巻の六条の感情には泣いてしまいました。ヤクザならね…そう、『最凶の恋人』みたいな傲慢な攻なら、仕事を辞めさせることくらい訳ないのに、

ユキを優先して、決してそんな無理強いをしない。取り調べ室で唐突に自分の体を傷つけて、慌てたユキが抱きしめて叱って…だけどそんな時に言う台詞が「刑事、続けられなくなっちゃうよ」……自分達の永遠の為に、だけどそれさえもユキの刑事でいられなくなるなら無視してしまおうか…みたいな六条の間違った崇拝の感情が、痛くて、痛くて…。

 「お前は自分勝手に成り損ねたんだ。本当に自分のことだけを考えているのであれば、何がなんでも高遠を側に置いておくべきだったし、清水も居させるべきだった。中途半端な優しさを持つから苦しいんだ。高遠のことを思い、清水のことを思うから、逃げることを咎めなかった。……自分は辛いのに」…私はかつて自分のキャラにそんなセリフを書かせたことがありますが、ほとんどそのまま六条に言ってやりたいです。「中途半端な優しさを持つから苦しいんだ」と。「もう離さない」と言っておいて、でもきっと六条はユキを束縛しない。もしも離れることになってもユキを咎めないだろう…そんな想像が容易です。だから、認められたことではないですが、読者としては六条に、ユキの何もかも奪って欲しい。完膚無きまでに、自分のものにしてほしい。…そうじゃないと辛すぎて見てられない。拉致監禁でも強姦でもいいから、ユキを手元に置いておいてほしい。そうじゃないと六条がつぶれそうな気がしてならないのです。

 そして、ユキ。あなたの真面目な真摯な真剣な心は、読んでいる方も気持ちよくなってきます。だけど、どうか六条に諦めさせないでほしい。もっと、もっと一生懸命に彼をつなぎ止めて欲しい、と思います。五巻で見せたあの強さで、力強く六条を守ってほしいです。

 ところで、乙彦さんと苅屋さんが恋仲なのが、私は信じられません。……ええーっと…うーんと……「そういう趣味はない」と乙彦さんが言っていたのを信じたかったのですが……。おいおい。しかも受ですか?! ああ受なら納得かも?

プリーズ・ミスター・ポリスマン! (竹書房文庫)

プリーズ・ミスター・ポリスマン! (竹書房文庫)

恋に溺れて―プリーズ・ミスター・ポリスマン!〈2〉 (竹書房文庫)

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夢を、見ている。―プリーズ・ミスター・ポリスマン!(4) (竹書房文庫)

夢を、見ている。―プリーズ・ミスター・ポリスマン!(4) (竹書房文庫)

 昨日のGUNLOCKの感想は……えーっと、三蔵サマか不愉快でしたね。でも、一番びっくりしたのは、八戒が大笑いしていた所です。意外でした。ところで、幼少期のヘイゼルが気持ち悪いです。言葉遣いが。