ユナイテッド93

 怖かったです。緊張のあまり貧血になるかと思いました。そのくらいの臨場感です。私あの場にいたら、きっとまっさきに気分悪くなってると思う……。飛行機に乗れなくなったらどうしてくれよう?!

 9.11を題材にした映画ということで、賛否両論あるかと思うのですが、私は内容には特に非難すべき点はなかったと思います。ただ時期尚早かと思うだけで。事件が風化する前にという気持ちもあるのでしょうが、もう少し待っても良かったのてはないかと思いました。いたずらに刺激していると思わせる部分もあるような気がしたので…。

 数分後に死が迫っている状況で、私は誰に何を伝えるだろう。生きる為に何をするだろうと、色々考えさせられました。そして、こんな物語があったんじゃないかと想像。機中から電話する時、家族が居る家に電話をするのは分かります。ケータイを持っていたら、家族の携帯に掛けることも可能でしょう。でも、自分の携帯が手元になくて、家族の携帯番号を覚えていなかったら…? そして、会社の番号くらいしか覚えていない、仕事人間だったら? 「情けない、妻の電話番号さえ、出てこないんですよ。こんなことになるまで気付かなかった。オレは仕事ばかりしていたんですね。妻に愛していると伝えたいのに、最期の電話の相手は、結局いつもオレを怒鳴る上司なんて、滑稽だ」…そんな切ない男性だって、きっといたと思います。そしてそんな想像で泣けました。