佐藤友哉『水没ピアノ』
ようやく読みました。ゆやたん!! 3冊目。これからゆやたん週間です。…といっても、5冊しか出してないのだよね。鏡家サーガだけ。あと2冊かー。もっともっと、いーちゃん同じくらい出してくれることを願っています。なんか好き。ダメダメ感が漂うけど、見捨てられない感じ。ゆーやという名前も好き。しばらくともやだと思ってたけどさ。
さて、感想。結構好みの構成でした。ネタバレになるので言いませんが、その伏線の関係しあいっぷりが見事。ちょっと分かりづらい感じもありますけど、そしてどうせそんなことだろうと予想はつきましたけど、でも気持ち悪さの残るラストに純粋に拍手したい気分です。しかし、鏡一家は壊れてんね。まともな人格者はいないのか。それから、もうひとつ壊れてる家が出てきましたけども。こわいこわい。そういう狂気をさらっと描かせたら、この人はゼロの波の新人の中で一番だと思うのですが…。今回は「こんな所で簡単に死んでいいような役どころじゃない」という風な書き方にびっくりしました。うん、重要な登場人物が、簡単に死にすぎ。遺言も、恨み言も言えず、簡単に殺される。それをいとも簡単に描く。あっけねぇ!! でも新しい。
でも、個人的な好みを押しつけるなら、純愛とか、ノアールとか中途半端に入れないでほしいかなー、なんて。壊れてるなら、徹底的に文章まで壊れてしまってほしいと願って莉します。
ええっと、一言でまとめると、「タイトルが素敵。だけど、読んでてどんどん後ろ向きになる」そんな小説です。
- 作者: 佐藤友哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/03/07
- メディア: 新書
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