高田崇史『QED竹取伝説』『QED龍馬暗殺』

 QEDを読むと、日本史を信じられなくなります。いや、ほんと、凄い。ただ、興味のある人以外を置いてけぼりにする感じが濃厚になってきたので、そこだけがちょっとね…。でも忘れてはいけません。この人、薬剤師さん。日本史の先生でも大学教授でもないんですよね。そこがまず感心ポイント。どんな頭してるんだろう……。主役達がたまに薬の話をすると、びっくりしますが、そっちの方が彼にとっては普通の世界なんだろうと思うと変な感じです。

 タタルさんが興奮して喋るシーンは(…おそらく温度は低いですが、あそこまでぺらぺら喋るのは興奮しているということだろうと気付きました…)、圧巻です。次々に歴史が裏返されていきます。竹取伝説では、かぐや姫の出自が問題になりました。何者なのか、そして作者は誰なのか、何を意図して書かれたのか……。もしもタタルさんが言っていることが正解だというなら、日本はどこまでも「呪」に彩られた国なのだなぁ…と思えてしまいます。虐げられた人間に対する贖罪…という見方もアリかな? 「騙り」が蔓延している世界で、真実を見ることが大事だと諭されている気分にもなります。

 龍馬暗殺の方は、なかなか……幕末は「新選組!」で結構学んだつもりですが、ついていけない感じも大きく。それでも、事件の方は興味深く読めました。旧態依然として残されている村の風習。……なので、少し京極堂を彷彿とさせましたよ。憑き物を落とす…という感じで。ただ、タタルさんは憑物を落としませんが。むしろ煙に巻く…。憑物の姿を実体化させる…みたいな感じはありますけどね。

 しかし、タタルさんに少しだけドキドキしている奈々ちゃんは可愛らしいです。でも奈々ちゃん、タタルさん以外にも男性はいると思うよ……?(笑) ちなみに私は小松崎さんの方が好きですがネ。

 あと、最後の作者のコメントにいつも「…講談社ノベルスの作者に協力を仰いでんのか?」と思えてなりません。竹取では椹野道流さん、龍馬では西澤さん。…さて、次は誰かな? あ、それから買えていないものがいくつかある。『QED熊野の残照』。あと、『鬼神伝 神の巻』も買えてない。あと、新刊が出る……。わぁ、大変。でもそれをクリアして、『麿の酩酊事件簿』を読んだら、高田氏クリア。…って、まだ7冊もあるってことですが。ついでに関係ないけど買わないといけない本を書いておこう。西尾維新化物語 下』、西尾維新刀語2』 清涼院流水パーフェクトワールド2』……だけかな? なんか、まだまだ忘れている感じがするんですけども。ああ、買わなくてもいいけど、一応読みたいのが東川篤哉『殺意は必ず三度ある』。

QED 竹取伝説 (講談社ノベルス)

QED 竹取伝説 (講談社ノベルス)

QED 龍馬暗殺 (講談社ノベルス)

QED 龍馬暗殺 (講談社ノベルス)