『探偵小説のためのヴァリエイション 土剋水』

 だから、古野さんの小説は毎回同じ感想になるんですが、ラストの……こう…なんていうか…いきなりなSF伝奇ものみたいな展開についていけません。それが味なんでしょうけどねえ。私はちょっと…苦手かも。ううう…論理的な推理展開が面白かったのに、いつのまにやら妖魔対戦みたいな…。はふぅ。あと、衒学趣味も健在で嬉しかったり困惑したり。この小説ってさー、筋だけだと、半分以下になりそうな。でも、もっともっと書きたい風な感じが読んでいて取れるのですよね。怖いことに。
 しかし、女の子は可愛い。可愛いっていうか、パワフル。百人一首も良い。でもあかねん、もっと凄い所見たかったな。しゅびっって取ってる様の描写とか凄そうなのに。そこはわりとあっさりだった……残念。
 でも好きなのはあの彼岸いきかけなコアラなんですよ。あっちのシリーズも書いてくれないかなー。

探偵小説のためのヴァリエイション 「土剋水」 (講談社ノベルス)

探偵小説のためのヴァリエイション 「土剋水」 (講談社ノベルス)