兄ちゃんの死

 少し時間ができましたので、書き込んでおきます。
 ひとつ前の日記を読んでおわかりになった方もいらっしゃるでしょうが、昨日義兄が亡くなりました。
 そのことについて、わりと赤裸々に、ありのままをお伝えします。
 重めの話で長いので、しっかり読まなくていいですよ。


 兄のことはまぁたびたび日記にも登場していましたし、オフで友人の方には結構内情を話してましたのでご存じの方もいるでしょう。
 例の何度も死にかけて、いつ何時何があっても…という状態だった兄です。
 何かがあったわけです。変な言い方ですが。


 21日午前1時頃彼のブログに「痛み止めを打ってもらいました」とかあったから心配していたら、朝姉から入院した…と報告が。
 母にすぐ行ってもらい様子を見てました。「癒着による腸閉塞の疑い」とかなんとか言ってたので、「あー…薬でどうにかなったらいいけど…大丈夫かなー」て思ってました。でも、もうちょっと事態は深刻でした。深刻になりました。
 22日の午前2時、母から「今度こそもう駄目っぽい。大動脈が破裂した。会わせたい人を呼んで下さいということになった」と連絡が。
 (それで、この前の日記を書いたわけです)
 覚悟を決めていたわりに、結構ショックで、だいぶ泣いた。ついこの間未来を妄想していただけに、きつかったね。

 でも、もう限界だったんだろうなー…と。

 22日の朝は輸血と麻酔で小康状態でしたが、お昼に「やっぱ駄目だった」と母から再び連絡が。
 「ああそうかぁ…」としか言えませんでした。


私はその瞬間ですら「もっと頑張れよ!!父親だろうが!生きろよ!」とか思えなかったんです。
ただ、ひたすら「お疲れ様」って。もうしんどい思いも痛い思いもしなくていいんだ、て。


 多分、おまけの一本なんだろうな…て私はこの間から思ってました。
 アイスのあたり棒。
 兄ちゃんは、あの時も、あの時も、死んでない方が不思議なくらいだった。 
 生きてるのが奇跡的。何かに守られてるとしか思えなかった。おそろしい強運の持ち主だった。
 「おまけの人生」なんて、変な言い方だけども、そこで食べ終わっていたはずだったのに、運良くもう一度味わえることになった。
 もう一本だって最後までおいしく食べて正解だろうけど、兄ちゃんはどう思ってたかな?


 「神様酷い」ってちょっと思ったけど、違うね。
 むしろ「ありがとう」だよね。
 多分、2回も3回もあたりが出ることなんてそうなくって……だけど、みんな一度くらいは娘をだっこさせてあげたかったから。
 その祈りが通じたんだと思うことにしました。


 たった1ヶ月と18日。


 それでも、彼は父親だった。
 

 姪に、きちんと話してあげたいです。きっと、貴方に会いたかったから頑張って生きてたんだろうって。
 同じ病気で亡くなった彼の本当の母親と、弟さんにも感謝の気持ちを。
 兄ちゃんは2人にあの世で自慢してやればいい。頑張って生きたって。



 今日はお通夜、明日はお葬式です。
 母は姪っこを見ているので欠席。父と2人で出てきます。
 


 ちなみに、「なんで手術せんの?」「ていうか急すぎない? なんでそんなことが?」て不思議に思ってる方もいらっしゃるので明かしておきます。
 兄はエーラス・ダンロス症候群という病気でした。
 こちらのサイトに詳しく載っています。http://ehlersdanlos-jp.net/modules/EDS2/
 引用!!

人間の皮膚や組織を形成するコラーゲン等、結合組織成分の先天性代謝異常により、皮膚の異常な伸展性・脆弱性、血管脆弱性に伴う易出血性、靱帯や関節の異常な可動性亢進等が見られる疾患です。一番予後が悪いとされている 血管(=脈管)型をはじめ約6個の型(タイプ)があり、型によって症状がさまざまです。また、同じ型であっても症状や、その程度・出方が異なるなど、非常に個人差の大きい疾患です。なお、対症療法以外、疾患の根本的治療法はなく、疾患の原因もわかっていません。発症率は、数万〜数百万人に一人の割合と言われています。


 ちなみに、兄は「予後が悪いとされている血管型」でした。
 もいっかい引用!

血管型(Vascular type;窊型)
① 原因:窂型コラーゲン遺伝子(COL3A1)の変化。
② 遺伝:常染色体優性遺伝。
③ 皮膚:皮膚が薄く、静脈が透けて見える。過伸展性はごく軽度である。皮下出血を反復しやすい。シガレットペーパー様と呼ばれる瘢痕を形成しやすい。
④ 骨関節:過伸展性は軽度(小関節が主)。時に靭帯損傷をおこす。先天性内反足を持つことが時にある。
⑤ その他:
動脈破裂:胸腹部、頭、足などの動脈がもろい。動脈瘤、動脈解離が先行することもある。
内臓破裂:消化管(S状結腸が多い)破裂を起こしやすい。妊娠中子宮破裂を起こすことがある。気胸を起こすこともある。

 詳しく病気のことは知りませんが、まぁ上記の通りのことが結構ありました。血管が透き通るくらい薄かったらしいです。皮下出血も酷かったし。過伸展性は…まぁ親指が手首につくくらい…て言ってましたかな。問題はその後。「胸腹部、頭、足などの動脈がもろい」「消化管破裂をおこしやすい」。
 片方肺をとっていたり、大腸全摘出して人工肛門つけてたり……というのは、全部コレが関わってくるわけです。
 だから、手術すら簡単にできない。
 すぐ出血するし、今回も最初はただの癒着による痛み…てだけだったんでしょう。だけど、痛みで血圧が上がって、動脈が破裂。
 そういうわけです。


 身障者についてとか、こういう病気についてね、色々考えさせてくれました。
 あと、「優性遺伝」という文字が怖いのですが、それはまぁ……まだ今の段階では分からないということなんで、気持ちを明るくもっていたいと思います。



 しかし、これからパソコンのことを誰に尋ねたらいいのさ、兄ちゃん。