「戦場のレクイエム」

 残念ながら、見に行ったのはゲキゴーオンではなく、こういう堅いやつ(笑)ちょうどいい時間がなくてね。映画館に着いてから、いちばん早く始まるヤツにしました。ちょっと見たかったし。
 しかし、レディースデイだというのに、まわりはオッサンばっかりでした。あんなにオッサンばっかり入ってる映画も珍しいんでないかと思うくらいに。凄い量のオッサンが。おっさんデイなのかと勘違いするくらいでした。平日の昼間に、よくこんなにおっちゃんが…て思いました。女性が見ないタイプの映画…というわけではない気がするんですけどね。

 中国の国共内線で生き残った連隊長のグーが、戦死し遺体の見つからない仲間達の名誉を取り戻そうとする話です。史実に基づいて…ということらしい。

 タイトルと、そして「ひとり生き残った」という部分だけで十分涙してしまう要素があるのですが、色々もっと深かった。
 戦争シーンは確かに壮絶で、それだけで終わってもおかしくないようなスケールでした。だけど、この物語の本当に伝えたい部分は、それ以降。生き残った者の悲しみと空虚さと、そして自責の念。きっとこれはどこの国でも同じものなのだと思います。「自分だけが残ってしまって、申し訳ない」そう思う兵士が、世界中にいたと思います。そして、見つからなかった者、記録の残っていない者は烈士(殉職者みたいな?)として認められないという現実。英雄であるはずの部下達がまるでなかったことのように扱われる。それに憤怒し、そしてさらに自分を責め……。恩讐にとらわれては、今を上手に生きていけない。だけど、グーさんは降りなかった。すべては仲間のために。

 不当に扱われる部下に、上司はこんな風に熱くなってくれるでしょうか?
 人の上に立って仕事をする人は、この映画を見ればいいと思います。


 あと、指導者という立場の人間にちょっと「お」と思いました。戦争には色々なタイプの人間がいる。中にはそりゃ怖くて怖くて仕方ない人もいたでしょう。その人の覚悟が痛々しい。でも、今回物語の核にもなるワン・ジンツンの変化は凄く良かった。変化なんてしてないかもしれない。最後の時まで怖くて仕方なかったのかもしれない。だけど、2人になった時に、まだ戦おうとした彼のまっすぐさに涙した。

 少しだけ、執筆欲が沸いたことが嬉しい。