ふしぎこちゃん

 職場の夜の警備のおっちゃんはだいたい九時半前くらいに現れて、朝の7時半頃までいらっしゃいます。

 昨日担当だったおっちゃんが私にいきなり
「ヒロタさん、宇宙人の写真見る?!」
 て言ってきました。
 

 びびりました。


 バタバタしていた時間でもあったので、唐突に眼前に雑誌を広げられて「これが○○星人らしいでー」て説明されて、どうしようかと思いました。
 あー…なんか会話しようとしてくれてんのかなー…思って、まぁ昨日は「めんどくさがらずにたまには自分から喋ってあげなきゃなぁ」て思って帰ったんですが……

 さて一晩寝て、早番。
 
 彼は7時半の帰る間際に、
「ヒロタさん、ネッシーの写真見る?!」


 「え……いいです……」
 真剣に一歩引きました。
 でも、強引に前に広げられました。「これ、上空からの写真」とかって。
 「……は…はぁ……」


 私、そんなに不思議ちゃんですかー?!
 どういう目線で見られてますかー?!
 なんか、さも「好き系なもの見つけてきましたよ!」みたいな得意げな感じで持ってこられて、どうしようかと思いました。
 反応に困った。中で見ていた先輩に笑われた。

 私、そんなの興味もった発言したことない。
 妖怪好きっていうのも職場で話したことない。

 どこ情報で私にそんな写真を見せてきたのか…。
 「……興味ない?」て聞かれて、「はい」て即答したよ。

 しかしああいう超常現象扱った雑誌がまだあるのだね。それにも驚いたよ。


 次回、勤務が重なる時、彼は私に何を見せてくるでしょう……? ある意味楽しみです。