極上文学「春琴抄」大阪公演(7/5記入)

大阪公演の25日のマチネ・ソワレ見ました。

極上文学は好きなシリーズなので始まる前からワクワクしてたんですが、具現師さん達の器用さんびっくり。
開演前に、客席練り歩くの好きなんですが、今回はうぐいす笛を吹きながら、鳥の折り紙をくばり歩くというやつ。でも笛で会話しようとしたり、マリオ奏で始めたりサンバ奏で始めたり、ねるとんみたいに一人のお客さんに鳥を二人から差し出すみたいな真似したり、合わせ技が色々あって面白かった。アクロバティックなこととかもしてたし。
1羽もらったんですが、ろくに対応できずにすいません……何言ってるかわかんなかった。

そして、冒頭の影ナレ
ちょっとびっくりした。ふっきーさんの関西弁がスムーズで! あ、そういえは三重の人だったね…と思い出した瞬間。三重ってどっちかと言うと関西弁よりなはずだし、そりゃできなくはないよな!!と。なんか標準語のイメージしかなかったのでなんか面食らってしまった。
あと、伊崎くんも関西人なので、なんかそこらへんは「あ、気持ち悪い」みたいなのが少なくて、この組み合わせはとても良かったなー。やっぱりさー、イントネーションってなかなか難しいと思うの。特に大阪のええとこのおじょうさんと、その丁稚、ええとこのボンボンとか、関西弁の人でも雰囲気出しにくいと思うし。
そうなると、関東の方がどんな風に演じてたかも見たかったなー…と。


まず、東京公演の噂をちらりと聞いていましたが、その噂に違わず、ふっきーさん凄かったわ!!!
んー……色っぽさで言うなら、だんぜん喜多さんなんだけど、また違うエロさが佐助にはあるよね。まっすぐ過ぎて「気持ち悪い」てなる感じなの分かる。もちろん褒め言葉。
お師匠様のことしか見えてないから、それ以外のことには頓着してなくて、丁寧だし分をわきまえてはいるけど、別段優しくもないし気にしていない感じ。自分がどうあるかは、春琴の評判に関わってくる所だけが重要なんだろうなーというのが伝わってきました。
ラストも「お師匠様が自分のお師匠様であってほしいが為に、目を突いた」というのが良く分かった。
「ほんに仕合わせでござりました」と言うとこは、なんて恍惚とした幸せそうな顔なんだろうか、と。目を瞑っているので目による力じゃない。こわいな。
藤原祐規をこれ以上好きにならないようにしたいのに、こういうの見せられたら、どんどん深みにはまりそうで困る。ここの沼も深そうなので、私はおいそれと手をだしてはいけない感じかする。困る。本当に。

そして最前列くらいしか見えてないであろうちょっとしたこと。藤原佐助がエロいのは春琴に対する目線もそうなんだけど、口もとのせいかと思いました。冒頭の方なんだけど、俯き加減で一瞬唇を「んっ」て感じに内側に巻くのが、舌舐めずりじゃないんだけど、そういう風に見えて、たいそういやらしい。その目に足先とか映ってそうで、なんか……もういやらしい。これアップで映像残ってたらいいのに。


伊崎春琴は可愛かった。「おてんばな感じ」と称してるのがよく分かった。そうなると「凜としている」和田春琴も見たかったけどな。足バタバタさせてるのが上手でした。あと、「見えてないのに、見てる」のが凄い凄い難しそうで、視線が合ってるようで合ってないのってどうしてるんだろうと凄い不思議な感覚に。台本に目をやる時は確実に目線をくべなきゃいけないと思うんだけど、その微妙なさじ加減が凄いな、と。


松本くんの鶯は、すごく楽しそうだった。飼われてる以上そんなことはないんだろうけど、しがらみなく過ごしてる感じ。さぞや朗々と鳴くのだろうな、と。春琴に愛されてるのが分かる感じ。なでられてる時の満足そうな感じとかかわいくてよかったなー。
あと、地の文読んでるのがたいへん聞きやすくて、心地よかったです。ひっかかりなく聞けるので、極上文学とても良いと思う。今後もまた見てみたいなーと思いました。なんだろう、ちょっと意外でしたけど、これは良いぞ、と思ったというか。
しかし数少ない松本鶯が見られたのは幸運ですが、佐助も見たかったよ。

一方で、桝井鶯はとにかく可愛かった……。今後が楽しみな俳優さん。小さくて動けるのはたくさん役が来る気がするので頑張って欲しい。


足立くんは、ユースフルメソッドで見ていたので、さてさて、この人が今度はどんな演技をするのかな、という感じで楽しみでした。あの役もなんというか嫌味を通り越したイケメン(笑)という感じで面白かったけど、今回のええとこのボンボンというのがとてもよく似合っていた。綺麗な顔で、ちょっといけずそうな顔だし、凄い似合っていた。特に、春琴に無体なことをするとことかは良かったなー。
でも一番彼で評価したかったのは、最後のご挨拶の所。カテコの前というのかな? まだ春琴と佐助のまま(盲目のまま)手探りみたいな姿で二人が下がろうとする時に、足立利太郎がすごい良い表情してたのが印象的でした。微妙な機微。バカみたいだなって侮蔑もこめたような、ちょっと寂しそうなフンって笑い方。これは、ちょっと「おお…」て思った。語彙力なくてうまく説明できないけど、嘲笑と悔恨をいっしょくたにしたみたいな表情。多分、佐助と同じ境地には辿り着けなかった悔しさと、そこまでして人を想うなんて馬鹿じゃないかって笑うような感じ。あれは見事だった。拍手したい。富田さんは特にやってなかったからなー。

でも、とみしょーの利太郎は堂々としていて、揺るぎない感じだったのが良かった。だから、厳しく稽古つけられて困惑してる所が一番良かったかなー。あくまで女は下みたいな見方してるのが随所に見られて、腹立つわーって。あと、足立くんが「引きずられる」と言うのも分かるなーと思いました。そのくらいドンって感じ。でも同時に「あれはとみしょーだから」とふっきーさんが言ってたのも頷ける感じ。なるほどなぁ。



大高さんは自由で、具現師さんまで赤眞コーナーに参加させていてびっくりしました!(しかも具現師さんうまかった(笑))
赤眞さんにも無茶な質問してました。「鳥屋だろ?鳥は1羽2羽て数えるけど、兎もそう数えるのはなんで?」て。でも赤眞さんの方が上手で真面目に「鵜、と、鷺に分けられて…」て一説を答えてた。会場おおーってなってた。
おちゃめさん。

しかし、川下さんも相当だった。まさかの赤眞コーナー、赤眞さん自身が体験させられる展開!! 初めてみたわー!! 汗めっちゃかいてはった。結果はめちゃくちゃな感じだったけど。お題がそもそも難しくて、みんな凄く困っていた。ふっきーさんのいきすぎた感じが確かに笑えたかな。

赤眞コーナーはみんな相当困ってる感じはしました。今回お題難しいなー。
あと、小鳥たちがすんごい相談しあったり牽制しあったりして順番決めてるのが笑えた。真剣すぎる。
こういう時潔かったりすると「かっこいい!」てなるけど、「え…?」という答えだともうなんか色々残念すぎるのでなー。役者泣かせのコーナーであることは間違いない。でも私だいすき!! 


以上、ざっくりした感想でした。
次回の極上文学も楽しみです。