氷川透『密室ロジック』『各務原氏の逆説』
今日も読書感想文からドウゾ。いーちゃん期間に突入と何度も言っておいて、結局先に氷川さんを片付けている私……。全然有言実行じゃないし。
氷川透『密室ロジック』(講談社ノベルス)
やっぱりクールな感じが漂ってます。必ず推理は夜中に行われる。氷川透という人物の、いっとう活動的な、いっとう冴える時間帯に、事件は収束を向かえる。…今回のもいつものシリーズと違わずに、そういう路線でした。ただ今回はいつもと違って、氷川さん自身は物語に関与していない。つまり、安楽椅子探偵をやらされた…というわけです。
それでも、影響力抜群、というのが物語の節々から読みとれました。彼と関係したことのある人は、彼の不思議な魅力に取り憑かれるのでしょうね。物語を読んだ読者もその一員かと思います。最初の頃、私は彼の人間らしさが書かれていないことに奇妙な違和感を覚えたものですが、今となっては、その書かれていない部分があってこそ、氷川透なのだと思うようになりました。
ただ、ちょっと今回、トリックとか、種明かしが簡単すぎたかな〜とか。事件自体が複雑ではないので、そういう簡単なものに落ち着くのでしょうが。それとも安楽椅子探偵ならこんなもので仕方ないのでしょうかね?今度はどどーんと、とんでもない設定の謎をお待ちしています。
- 作者: 氷川透
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 新書
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氷川透『各務原氏の逆説』(徳間ノベルス)
いや〜すぐ読めました。一気にぱぱぱぱっと。今流行りの学園ライトノベルって感じですね。私、氷川さんのことは“真夜中の魔術師(トリック・メイカー)”とか呼んでいるのですが、今回ばかりは、その名をつけるわけにはいかないかと思います。学生の活動時間は夜ではありませんからね。
いや〜しかし、表紙の通り、普通に学園ものでしたね。ちょっとジャズの話が出てきてたりして、氷川さんっぽいなぁ、と思ったのですが。
主人公の男の子が、結構頑張って推理していたので、なかなか面白かったのですが、でも、一番の注目株は各務原氏。用務員。やたらと論理を説く。氷川さんらしいクールさを、この人が一手に引き受けている感じがしました。いいですよ、この用務員は。結構擬音語が可愛いので。…あああ、しかしクールなはずの氷川さん……こんな擬音語を使っていいのでしょうか?
これ、シリーズ化なんでしょうか? あんまり私は好きではないのですが、ひょっとしたら流行りだから、続くかも? まぁ、今後に期待?
- 作者: 氷川透
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2004/05/18
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