妖怪アパートの幽雅な日常8〜10
ラストに向けての怒濤の展開というか…結構色濃いエピソードが満載でした。
とくに、8巻はすごい!!
いろんなサイトさんで感想とか読みあさっているのですが、ほんとに普通に読むのが困難なくらいアレでした。
そういう風にしか読めない自分もどうかと思うのですが、あれはアカラサマすぎる。
中には、シリーズ通してこの本のことを「腐女子の英才教育か!?」て書いておられる方がいて、成る程!となりました。
確か801ちゃんが「走れメロスはあからさますぎてちょっとね〜」て言っていたかと思うのですが、これはそんな感覚で読めました。そこを自分に素直になるかどうか…という。でも、大概そういう時は、他の方の書かれている二次創作を読んで、「こう読んでもいいのよね」というのを確認する。自分も同じ色に染まる…という方法を取る。つくづく自主性がないな。でも、今回も同じ手法で自分を落ち着かせました。
ただ、千晶ちゃんが、ひたすらにかっこいいので、別に腐っていなくても、それだけで読む価値アリです。何度も言うけど、「ちあきー」て言ってる自分の感覚がなつかしすぎて、ちょっと笑ったりもします。ああ、あの頃と自分は変わっていない(15年前と変わっていないてそれはそれでドウヨ?)
私、最近ちゃんとした男前にハマってなかったわ〜と思い知らされました。ちょっと出来すぎ感はありますけど、子供をちゃんと守ってくれる大人の男、良い!! 8巻は血塗れでハラハラしましたけど、強盗と対峙するところはきゃーってなりました。
好きだなぁ…て惚れ惚れするのです。
思い出しただけでにやにやしてしまうというキャラに出会えたのは久しぶりかもしれません。魅せられたというのはこういうことを言うのですね。
そんな人に嫌われたくない、という夕士の思いも痛いほど伝わってきて、すごい凝縮された物語でした。
9巻はやりすぎ(笑)白ランはないわ〜笑える。かっこ良すぎて恥ずかしいです。でも男前な女性たちの活躍もスゴいので、楽しんで読めました。兄貴たち、ほんとにかっこよすぎる。出てくる男性陣がヘタレではないのに、女性が男前すぎて霞むというのはどういうことでしょうね。でも、高校生たちのきらきらした感じは、佐藤さんじゃないけど「いいねぇ、いいねぇ」て言いたくなります。その時でしか味わえないもので、バカだったりアホだったりするけど、やっぱり大切なのだと思います。青春! 私ももうちょっと真剣になればよかったですね。でもそういうピースがあって、色んな考え方の人間がいるから、高校生活は楽しいってもんです。
で、最終巻は………衝撃でした。なんというか、もやもやが残ります。みんなが幸せで、間違いない未来に続く終幕というのに、しこりが残る。まだ「番外編」として描いてくれそうな幅を見せているのに、複雑な気分がする。物語としては瑕疵を残すことが大切なのかもしれませんが、なんか不思議な感じです。
以下ネタバレ及び、深読み部分なので、隠します。
まず、私が言いたいのは「あんなに長谷くん頼りにしていて、千晶ちゃんとラブラブで、長谷くんに命預けて、だのに古本屋さんについていくって、なにこの展開!」…ちょっと、ハチクロ読んだ時の気分に陥りました。「二人を選ばずに修ちゃんか!」いや、確かに修ちゃんはかっこいいけどさ。ひょいとOKしちゃう夕士くんに思わず同じ感覚でつっこんだよ。「長谷くんも千晶ちゃんも捨てて(捨ててない)古本屋さんか!」と。それでいいのか!と。いや、普通に読んだら別になにも不思議なことはない、自分の見識を深めるために、自分の先輩である人といっしょにちょっと行動してみよう…みたいな感覚でしょうし。でも、腐った読み方していいる私としては……まぁ、あれか、長谷くんも千晶ちゃんもちゃんと一人で生きていけてる人だから、特に心配じゃないし、ママとしては「かまいがいのある人」のほうにふら〜っと。古本屋さんも、魅力的だとは思うのですがね。でもアドベンチャーはない。バチカンに追いかけらるとかない(笑)
それが、夕士くんの未来の糧になっているのはいいことだけど、なんか、大事なきらきら時期を見られなかった長谷くんとか悔しかったんではないかな?とか想像しちゃいます。
それから、千晶ちゃん。一瞬死んだのかと思いました。生きていて良かったー。でも私は欠損の美学というのがいまひとつ分からなくて、ちょっと悶々とします。そこんとこちゃんと書いてほしいな、と。腕一本と釣りあうだけの未来なのかどうかということです。それで「教師になろう」と思った千晶ちゃんの気持ちがきちんと昇華されていたならいいんですけど、解放されていたらいいんですけど、志半ばじゃなかったらいいんですけど、倒れるようなことがなくなるならいいんですけど、でも、読者のエゴというか、わがままというか、「先生でいてほしかったな」と思ったりするわけです。人々を魅了する歌い手っぷりはたいそう素敵で、寒気するくらいなんですけど、でもそれがきちんと望む形で、千晶ちゃん自身が納得してやりたいと思っていることだとハッキリ書いてほしいな…。
それから、千晶ちゃんの声…作者は「井上和彦さんがいい」とおっしゃっているようなので、そちらを推したいと思います(どこに対するアピールだ)。8巻途中までは余裕で「平田さんかなー」と思っていたのですが、平田さんではかっこ良すぎる。低いし。ええっと、分かりやすく言うと
千晶ちゃん、受けくさい。
これ、Sさんにも言いました。同意してくれました。
薄々そうかなーと思っていたのですが、あまりにカッコイイのでスルーしてました。でも、ラストに近づくにつれて、「ああ、「ハニー」「ダーリン」て言い合ってるの、逆じゃなくて正しかったんだ」と思うようになったのです。夕士くん背抜かすとかもあるし。千晶ちゃんのバックにいらっしゃる方々がかっこ良すぎることもあるし。マサムネ×千晶が読みたいです。でも、成長する前だとやっぱり千晶×夕士が分かりやすく好きかもしれません。夕士くん総受というのがいちばん分かりやすい………ごめん。
で、まだまだ色々読みたい。秋穂さんと先生ももうちょっと書いてほしいし、龍さんは怖いからいいとしても、画家と詩人はまだまだ書いてないエピソードありそうだし…。
魅力的なキャラクタがたくさんいるというのは、それだけで物語を幸せにすると思いました。
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