「捨てがたき人々」

感想は2回目なんで簡単にー。
10月に東京国際映画祭で見た、
こっちhttp://d.hatena.ne.jp/hirotayutaka/20131025
の感想が真に迫ってるので、これをまず読んで頂けたら。
2回目も同じように感じたけど、1回目のガツンとくる感じから、もうちょっと落ち着いて見られました。
開けているのに、澱んでいて鬱々とした空気感がたまらないのですが、海辺の田舎という原風景を持っている人には尚更くるもんがあるんじゃないかと思います。世代的には少し下であろう私にとってもそうなのだから……。

多分この映画の一番に言いたい所はタイトルなんだと思うんですよね。
どーしようもない人々だけど人間らしくて愛おしいという俯瞰的な意味合いと、その登場人物達の抱えるそれぞれに鬱屈した消せないような思いは誰しもあるだろ、みたいなことを。

一番真実に近いのは、一番正直に生きる者で、だけどそれだけじゃあ寂しいよね…て思ったらいいのだと思います。下劣さも卑猥さも必死さもひっくるめて肯定しちゃえ。……うーん、うまく言いにくいな。なんかこう……もうちょっと何か端的に……




クズ万歳。
(まとめすぎた)




あと、パンフは見た後じゃないと見てはいけません。ちょっとネタバレというか、このシーン入れなかったのかー…という写真があがっているので。それはそれで、編集するの大変だっただろうな…という思いを強く感じます。切るの大変だったみたいなことおっしゃられてましたもんね。パンフにも頑張って撮ったシーンがまったく使われていないとか書いてあったし。



舞台挨拶の感想…というか、そこに到達するまでの色々も書いておこう。
京都シネマ登壇者は榊英雄監督と、大森南朋さん。
大森さん楽しみでしたが、ぶっちゃけ私が見たいのは榊さん。なんというか、最近色々情報を得ているので、他の舞台挨拶も見た気になっているが今回も相変わらず独壇場でした。ほんとにお喋り得意な方なんですよねー。
1回目も見られたら良かったのですが、残念、仕事中でした。せっかく近くなのに!!
(元AV男優とのトークショーも実は行こうと思ったら行けたんですが、さすがに我慢した。内田さんとのトークショーが明日なら間違いなく追い掛けていた…残念ながら17日も仕事)
でも、1回でも見られるのだから良かったよ。この不規則勤務だと、来られても見られない可能性だってあったのだから。

しかし、席埋まってなかったなー(ノД`) 8割くらいかなー。後ろの方めっちゃあいてた。10分前に到着したんだけど、2列目もまだ空いてたくらい。いそいそと前に座る私。
もっとアピールしたらいいのに、大森南朋さんが来るの……。それとも、若いファンの方って、格好いい大森さんしか好きじゃないんだろうか。ああいう腐った役やれる俳優さんこそ格好いいと思うんだけどなー。見渡す限り、年齢層が高めで、私多分あの会場で若い方から数えた方が早かったと思うよ。浮いてた、という話な!! さらに監督目当てには見えないだろうな……と。
まぁ見知った顔が……と榊さん言っておられたから、関係者の人も結構いたっぽいです。


そんで、どうでもいいけど、MCのおねーさんが当たり前に京都弁なのに、凄く凄くびっくりしてしまった。「五島で20日間で撮らはったってお聞きしたんですけど…」みたいな。京都での舞台挨拶でも、まぁ京都テーマな作品ならともかく、あんまり方言使ってる方少ないし、標準語がセオリーなのかと思っていたんですが………そうか、それもアリなのか。


質問は色々あったんですが、「映画見に来たら、だいたいどのあたりに座らはりますか?」という質問には「……それ、いる? 聞いてどうすんの?」と思ってしまいました。いろんなこと聞いてもらいたいけど、一瞬ポカンとしたね。しかし、監督はそんな質問にも長々解答してました。次のトークに移りそうになってるのにマイクを外してまだ一人考えて喋ってるみたいな所も(笑)
ちなみに画面向かって左側の奥の方に座るらしいです。利き目が右目だから自然に……と。そういう説明を色々しようとしていた。
大森さんは「あの当たり」と後ろの真ん中の方を示してざっくり終了なのにwww

そういうワケで、終始、喋り倒す監督と低い声で落ち着いて答える大森さん…という構図が(笑)
大森さんも「よく喋るね」という感じに感心してるような所も。うん、おいてけぼり感がすごかった。ファン的にはもっと大森さんに喋ってもらいたかったんじゃないだろうかと心配しました。私は楽しかったけどな。長くなったら「長かった?」みたいに確認してましたけどww


映画についての内容は上映前だったので、あまり多くは触れなかったのですが、監督は色々言ってました。
ロケの時はかなり見られていたみたいで、「漁師さんすっごい見てたよね」「見てたね…」と笑ってました。通報とかされなくて良かったです……。
セックスシーンについても、あの助監督と二人でやってみせたというエピソードをまた言ってました。それを「うんうん」と、真剣な目で大森さんと三輪さんが見て居たという端からみたら変だっただろうという部分についても。

あとは結構他の挨拶とか、雑誌とか、インタビューで答えていたことの重複だったのですが、「勝負を決めたい」という昔からの友人の思いに簡単に乗っかってくれた大森さん、マジ男前!! てなりました。台本もらってぱらぱらっと見て「タイトルいいね。やるよ」と即答したエピソードね。榊さんは「もっとよく考えてから答えたほうが…」て止めたらしい(笑)

それから、舞台になった五島列島についても。大好きで大嫌いな土地だから…という榊さんの言葉に郷土愛だなぁと思いました。方言全開でお母さんとのやりとりを寸劇みたいに見せてくれました。「男女が乳繰り合ってるような作品を…」みたいな嫌がられ方して「堂々としてたらいい」と返した…みたいなね。
あと、先月無料上映会をしたことにも触れていて、「映画館がないから公民館みたいな所を借りて、18禁なのに」と笑ってました。でも、概ね高評価らしく、色々感想を言って下さる方が多いとおっしゃられてました。


大森さんは役柄について尋ねられて、平然と「グズ」といってましたが、これ……ちょっと大阪の舞台挨拶からの流れみたいですね!! 友人が感想求められて、普通にクズ表現してそれがお二人気に入ってしまった模様(笑) 友人が全国に居ると、いろんな符号がすぐに噛み合ってくので愉快です。どこかだけ見ていたら知り得ない情報というか。


榊さんは「時代劇好きだから、京都はわりと昔から来ていて、撮影所とかもお世話になっている。京都シネマもよく来ていた」と言ってました。こっち側(登壇者)にいるのが不思議な感じとか言ってた。ここで上映してもらえて嬉しいというようなコメントも。


あ、つばきねこさんは京都には来なかったです…(._.)しゅーん。陰にいたスタッフのカンペみたいなやつには最後に素敵なゲストが…「つばきねこ」みたいになってたから期待してたのに。どーやら前に使っていた用紙だったんですね。




しかし、隣の男性が不思議な感じで、普通のパンフを買って入った私に「最初の方に売っていたやつはサインつきだった」とアピールしてきました。「えーざんねん」と言うと「言っといてくれたら買っておいたのにー」と言われました。………ん? 初対面だよ?! ……自慢したかったのかなー…とは思ったのですが、その後もそのパンフを見せてきて「ロビーに榊監督がいたから書いてもらったんだけど、大森さんのはないから書いて欲しいと頼んで書いてきてもらった」とか言ってきて「いいなぁ」と素直に反応した所で、はっと気付いた。今の「いいなぁ」は「直接榊さんに書いてもらった」という所に掛かるんですが、きっと大森さんにもサインを貰えたという所に掛かっている…と思われた気がする。……まぁ訂正する必要もないか…と思って黙りましたが。
その後、MCのおねーさんが上映後にサインつきのパンフを販売しますーって言った時にも「多分それ交換してもらえると思うで」と教えて下さったので、まぁ悪い方ではなかったんですが、ちょっとだけ不思議な人に話しかけられたなぁ…という気分でした。上映後にも何か言われたら新手のナンパかと思う所ですが、まぁお連れのご友人もいたようですし、そんなことはなく。私もパンフ欲しくてすぐ立ちましたしねー。……単に何か喋りたかっただけでしょうな。……あ、そういえば「携帯打つの早っ。しかもガラケー!」てまた言われてしまいましたね。……かちゃかちゃ煩いんだよなー、打ってるスピードが如実に分かってしまう。



というわけで、「捨てがたき人々」京都でも上映してますよー。