甲斐バンドの「破れたハートを売り物に」 上映イベント

甲斐バンドの「破れたハートを売り物に」 上映イベントに行って来ました!!
http://mfmd.jp/kaicinema/pc/pc2.html
5監督が甲斐バンドの曲を元に撮ったショートムービーを公開…という催し。
それぞれ味があってたいへん面白かったのですが(この曲からあんな映像が浮かぶのかー!的な)、もちろん榊英雄監督の「父と息子」がどストレートに泣かせにかかってきて、大変印象深かったです。
結構笑える所もあるのに、最終的には「いい映画見た!!」て鼻水流しそうになりながら泣き続けてる…というね。隣の男性もぐずぐず言わせてたので、相当です。(次の作品ひきずってうまく見られなくなるからそれはそれで大変でした)

船越英一郎演じる堅物で言葉数の少ない父親のもとに、結婚の許しを得に来た大森南朋という設定。
最初は会話が成り立たないし、船越さんの気に入らない感じとか、大森さんの緊張感とかがびしびし伝わってくるんですが、だんだん打ち解けて行くんですよね。
娘さんの方は急な仕事で家を出ることになって、初対面の二人が残されてそりゃもう最初はぎくしゃくぎくしゃくと…。でも、娘さんの今を形作っているものが、すべてその家でお父さんと今は亡きお母さんとの思い出によって成り立つものだというのが、少しずつ明かされていくわけです。得意料理が、お父さんの作っていた料理だったり、写真が趣味だったお父さんの「顔は少し頬を正面に向けたら綺麗にとれる」というような指示をずっと守っていたり、好きなお酒が同じだったり…(ここの「一緒ですね」ていう大森南朋の嬉しそうでちょっと楽しそうな一言が私はすごく良かったなぁと)
年頃になった娘とうまく喋れなくなったお父さんには直球でぐっとくるエピソードが次々に来るわけです……。
不器用な父親の像が多分世の中の「お父さん」と呼ばれるような男性には重なる部分があるんじゃないかと。
そして、酔っ払い二人がどんどん打ち解けて行って、「父親と一緒に暮らしたいと思っている」という娘さんの思いを息子になる立場の人間から明かされるというのにぐわわわっと涙が。
で、甲斐バンドの「杏奈」を熱唱しまくる酔っ払いな父と息子。帰ってきた娘呆然。
「大好きな人の名前を叫んで悪いのか!」と肩組んで逆ギレする父と息子の姿に今度はちょっとくすっと。


そして、不思議だった仏壇のロウソクの話も、エンドロールの後に明かされるという素敵なつくり。
最後の最後にまたぶわわわわわって(゜´Д`゜)。泣かせる。多分、あれ、今後は息子も同じようにやるんですよね。



ほんと、ハートフルなの撮らせたら間違いないなぁ…と思いました。
それはおそらく、榊監督ご自身が「とても大事にされてきて、とてもとても大事にしている」というのが大きく出るからだろうなぁと思いました。当たり前じゃない経験はもちろん強みだけど、そういう当たり前な経験だって、もちろん作品には反映されるわけで…。
うん、バイオレンスな感じの作品の上映も楽しみにしていますけどもね。
またこういうのも見たいです。



で、残念なことにDVDの予約を忘れていまして。受注生産?なので手に入れようがなさそうなんですよね。…うーん、再販してくれないかなぁ。あれ見た人、結構欲しがる人居ると思うんだけど。


ところで、甲斐さんも作品には出ているんですが、「ほっとくわけにもいかないから、ずっと手を握ってました」という船越英一郎さんの感想に笑いました。何してんだ。作戦会議的なものが下北沢の居酒屋で行われたというエピソードも聞きましたが、とてつもないメンバー集結してたみたいで、何それ怖い、見てみたいけど怖いってなりました。

そして、別作品では役者としても出ている榊さん。………血まみれで、ボコられで、クズい役で、いやー凄かった!! ご本人がやりたがったというのもまた笑える。しかし「仁藤(仮面ライダービースト永瀬匡くん)に釘バットでめっためたにされてる黒木司令官!」という構図が発生していますので、どうか子供には見せないように…(笑)