「夜の姉妹」(29日記入)

あまり情報得ずに行ったもんで、ボロ泣きしましたわ……。

男女逆転劇。男性が女性を演じ、女性が男性を演じる…という変わったもの。
最初はそのちぐはぐ感に笑いっぱなしなんですがね。まぁ女性は可愛いし線の細い男性を演じるのに丁度良いのですが、いかつい男性が女性をやってるのが面白くて!
でも、最終的にはそれが気にならなくなるので不思議な感覚に陥りました。

主役は山本裕典くん。王国の謎を解くためにやってきた女流作家。
私、そういえば山本くんて他でも何かで見たよなー…と思ったけど、他でもない、ホストちゃんだった…(笑)


あらすじ、引用!

19世紀初頭。ドイツ・バーデン大公国に、フランスからオペラ『椿姫』を書いた女流作家アレクサンドル・デュマ山本裕典)が訪れる。デュマは、そこでバーデン大公国皇太子・ラインハルト(彩乃かなみ)と出会い、やがて親友になっていく。ラインハルトは、恋人であるローザ(平野良)との結婚を、両親、特に母親のマルガレーテ王妃(八代進一)から反対されていた。王妃と大公にはラインハルトを跡取りにしたくないという思惑もあり・・・皇太子の身に起きたとてつもない血の悲劇。巻き込まれた女流作家、デュマがこの謎に挑む!


ざっくり説明すると、王国は王子の結婚を許していない。妊娠している恋人とこっそり婚約するのだが、どうやら母親である王女は別れさせたがっている。王と王女には離婚の噂が流れていて、王は第二王女を作ろうとしている…というゴシップが流れている。
離婚したい王は、妻の子である王子に後を継がせたくないのではないか、亡き者にしたがっているのではないか…という黒い噂が。
一方で女性を育成する学校に、王女が見学にお越しになると伝えられる。王も一緒かもしれないということで、うまく行けば召し上げられるかもとミーハーに浮き立つ女学生達……。
それが子を産ませる女性を見つけるための行幸なのではないか…と疑う作家。
王子は関節炎を患って、遠い病院に入院させられていて、その間に妊娠している彼女は何者かにかどかわされてしまう。噂が本当ならば…と、王と王女を訴えることも辞さない構えで、病院から抜け出して作家と共に学校に乗り込む王子………

ここから、事態は急展開します。そこまでは単にサスペンス感のある話なんですがね。

結構泣きました……。なぜ、王女が王子を継がせたくないのか……
たった一つの理由のため。
「あの人に愛されて、ただ幸せだったのに」
男性にしか出ない血友病。ヨーロッパの王族病と言われる病を元にしたお話でした。
その血を残さないために、保因者である母親と、その姉である学園の理事長がひっそりとでもしたたかに、息子の死を受け入れて自分の退去を決めようとしていた話でした。

主役のネームバリューとかイケメンの女装とかが取り沙汰されてる気がするけど、そんなことなんかより、この姉妹の圧巻の演技に泣かされた!
粟根さんと、八代さんに泣かされた!!

これは見て良かったわ……。
多分子供のいる母親という立場の人だったらガチに来るんじゃないかなー。

二人の悲しい告白にも泣けるのに、さらにラストのラインハルトがさぁぁぁ!!
ビルトの子供ながらのまっすぐな疑問とかさぁぁぁ!!!

久々に鼻水流しながら泣いてた気がする。
DVDあったら欲しいな。

で、あれ?宮下くんとか見たことあるよね……と思ったら、ハンサム落語かー!! ええ、そんなに太かったっけ??みたいな。もう誰が何にどう出てるのか分からなくてな。



あと、私が好きになりたい(というか、好きだけど、これ以上手を広げたくなくて困っている)怪物平野さん。
……今回、別人感が少なくてびっくりでした。
いつも「え、これが平野良?! 前とまた全然違うやん!」て変身っぷりにびびるんですが、今回は意外にも、女装なのに本人の顔が見えた。しかし妊娠してる女性の役とか……まぁすごい幅広いな。
にこぉっと幸せそうに微笑むのが本当に美しくてな、パンフが男臭い写真なので誤解されそうだけど、舞台上ではきちんと女性でした……すげえな。



とりあえず、万人にお勧めしたい舞台ではありました。