「同級生」「体育館ベイビー」

 はい、レッドと行ってきました! はるばる大阪まで。私がこんなに行動範囲を広げることはまぁあまりないんですけどね。見たかったんです。同じようなおなごがたくさんいましたよ。中村優一ファンですね。九時半にしか開かないのに、十分すぎから待っていました。同じような方が何名か……。MOVIXの袋(の中に電キバのパンフ)を持っていた方もいらっしゃいました。でも、MBPはデネブのエコバッグを持っていた子。さーすーがーにっ、それはちょっと勇気がないよ。凄い。そんなの堂々と持てるくらい好きなんだ。で、目をむいたのがそのコの携帯着メロも……いわゆる着ボイスだったこと。レッドは気付いてませんでしたが、私はびくっとしてしまいましたよ。あれもゆーいちくん? 違うかもしれませんが、とりあえず着ボイスを普通に使える人は強者だと思います。



 さ、内容ね。内容。ネタバレなんで、反転しておきます。あと、結構辛口発言もします。が、とりあえず「これから見にゆく人は同級生→体育館ベイビーの順で見た方がいい」とおすすめしておきます。単品で楽しめますけど、両方見るならこの順番で。じゃないと後悔します(笑)笑い死にそうになった…よ? ごめん、「体育館ベイビー」は真剣に見た人がいたら悪いと思うのですが、私には爆笑モノの映画でした。終わった瞬間にレッドに言ったのは「ツッコミたい!いっぱいツッコミたい!!」でしたから。BLの三次元に深く傾倒されている方は見ない方がいいし(むかつくと思います)、BLが苦手な方は見ない方がいいし見てほしくないし(勘違いすると思います)、ある程度BL知識があって平気な方はとにかくツッコミたくなること間違いない。なんちゅーか……とにかく凄かった。どちらかだけを見ようとしている人で普通の恋愛ものが好きな方は「同級生」を見て下さい。

 そうだ、レッドが声高に言っていた携帯小説は、たいてい主人公がモテモテで、相手のどちらかが死ぬ」という法則、あながち間違いじゃないです。ゆーいちくん、モテモテ。モッテモテ。





「同級生」(以下ところにより反転↓)

 王道純愛。すばらしい。終始ゆーいちくんが可愛い。内容は、もうどうしようもないくらい読めるし展開も分かりきっているけれど、女の子は好きなんだろうな。幼い女の子は好きなんだろうな。夢を絶たれた少年を励ますためにメル友になって、自分はもうすぐ死んでしまうけれど、新たな夢を応援して……。ところどころに出てくる星ネタに、何人が「ゆーと!」と思ったか。「デネブアルタイルベガ」の所は是非声に出して言ってほしかった。「もういいじゃん、この彼がゆーとになったって思ったいいじゃん」てなった。星好きになったのはこういう理由があるんだ…て納得さえできるよ。



 しかし、センパイがメル友になる下りがちょっと無理があるよね。私なら別にホントに北海道にいる「ジュン」を作るな。で、センパイは白血病で、骨髄移植のドナーがその「ジュン」ならいい。で、「死」を絡めるならば、手術の後、「ジュン」が交通事故で…とかがありがちでよかろう。で「私の中で彼女は生きている」的な。「ずっと励ましてくれたんだ」「じゃあ私がジュンの代わりに……ううん、ジュンと一緒にずっとあなたのことを見ているから」……。はい、王道。BLを絡めるというならば、その「ジュン」も男であればいい。そんで、「ジュン」の兄貴だとか偽って手術前に会えばいい。どきどき切ない。








体育館ベイビー」(以下ところにより反転……純粋に楽しまれた方は読まないで下さい)

 まずは優一君が可愛すぎる。三角座りとダッフルコートは垂涎ものね。でも、内容的にはツッコミ所が満載で、どこから挙げていいやら。映画が終わった瞬間真っ先に頭に浮かんだ言葉。「潤、総受け」………ごめん。ほんとに、こんな頭でごめん。最後のシーンで一気に妄想したんだもの。(3人でヤっちゃったらいい。もう、鈍感な潤にあれやこれややってしまったらいい。ていうか、もう普通に村井君、加藤くんに提案しそうだよな『このままじゃ埒があかないから、妥協点を見つけよう。2人で共有するというのはどうだろう』とか……うわー…それ見たいわー…)

 じゃ、とりあえず最初から押さえていこう。これは「同級生」の全くの側面というわけではなく、少しだけリンクした別物語でした。重要なエピソードは同じだけど、そこにいたる課程とか、要所要所がまったく違う。「ああ、なる程なー…うまいことできてるわー」と思いました。………が、初っぱなのお姫様だっこに吹いた。 う け く さ い よ! そう思い始めると、もう、なんだか水泳のシーンが全部全部卑猥だ。裸なだけなのに、もう、ちょっと、色々よからぬことを考える! そして、村井君の独壇場が始まります。KYです。AKYです。あえて空気よまない。属性を考えると恐ろしいですが、一見ヘタレ攻めに見えて、強引天然我が儘攻です。タチわりぃ! 「コーチしてくれ」と頼むのも強引なら、噂話に耐えられなくなって立ち去ろうとする潤に「来てくれたんだな」と嬉しそうにするのも、まったく場を考えない、唯我独尊っぷりです。「インターハイに来てくれたら決勝まで行ける」とか、これでもかこれでもかと潤に負担をかけるモーションを繰り返すのに笑えて仕方ありませんでした。凄いよ、村井くん。まったく自分の性癖について悩んだりしない。自信満々っぷりに、誰がつっこんでほしかった。そう、どうして潤を好きになったのか、そのいきさつをもうちょっと……もうちょっと詳しくさぁ…彼が悩んだりした様を見たかったよ? そう、レッドとも言っていたけど、最初のおぼれて助けて姫だっこだって立場が逆なら分かるんです。惚れた理由というか…安易ですけども。でも逆だからなぁ。

 そして、問題のキスシーン。自殺未遂(?)で「(助けてくれると)信じてた」でちゅー……うおおおおお、恥ずかしいというより、笑えます! しゅんとしおらしい態度で「潤がいないと意味がない」というアピールをした後に、いきなり、いきなりですよ!

 いや、ある意味BLの展開としては正しいのか、何だ、コレ。まぁ思っていたよりは嫌悪感はなかったです。三次元否定派なんですけども。2人がこだわった「綺麗さ」は出ていましたよ。

 あと、加藤くんに相談して「誰にも言うな」を連呼した潤にも笑えました。もう、この時点でちょっと「落ちる」フラグな気がして仕方ありませんでした。何、もっといやがれよ、「気持ち悪い」とか思えよ。ナチュラルすぎて、君らどうすんねん! もうくっついてしかるべきだ。

 で、最も普通で、最もBLとして正しい密かに思い続けて支え続けて不憫なまま終わりそうな感じだった幼なじみな加藤くんにもツッコミをひとつ。久々に村井くんの表れた教室で潤に「気をつけろ」………なーにーをー?! 貞操を?! いやいやいやいや、ナイって。それナイ。おとこのこですよ?! 体格差とかあったらまぁ分からないでもないけど、潤も水泳してる体育会系な男の子なわけですよ。気をつけようがないし。だいたいよく考えたらキスされたけど、それからどうとか言われたわけじゃないし。加藤くんも案外面白い。いきなりキレてつかみかかるシーンも、嫉妬なんだけども、もう笑えて仕方ないよ。唐突な理由がおかしいもの。

 さて、もひとつ問題のシーンがあったね。帰り道、一緒に自転車押しながら、手をそっと……そっと添えるって……振り払えよ、何だよ!! なぜそこで理解を示す?! そりゃ、「あ、好きになってくれた」て村井くんくらいだったら勘違いするよ!! その後何されても文句は言われないって。もう、潤のことを心配したね、私は。

 あと、「潤の部屋はどこですか?」……最上級にツボでした。強引すぎる。というか、父は無理矢理家に来たあげくそんなこと言う息子の友人に「?」と思わなかったのか。その後の「監督の部屋にオレがいる方がいやだと思います」という発言についても、色々憶測しちゃうぞ、このやろう。

 ラスト。卒業式のシーン。ここも笑えたなぁ。潤も同じ展開されて気付いてよさそうなのに。卒業式でまさかのカップル誕生とか笑えたのに。可哀想なのは、あんなことに遺影を使われた希美ちゃんです。



 でも「体育館ベイビー」というタイトルがいまひとつ生かし切れていない……。もっとこのネタを引きずったらどろどろ面白いものになったのに。

 私なら、さらに禁忌を重ねるかな。村井くんがちょっとゆがんでいる理由は、出生の秘密にあって、まぁ捨てられた子だとか、不倫のあげくにできた子だとかいうの。で、傷をなめ合うように惹かれ合ってゆく潤と村井くんに、加藤くんが警鐘を鳴らす。「オレが変わらせてやるから」みたいな。うん、そっちの方が楽しい。





 ああ、長くなった。とにかく、千円以上の価値はあったと思われます。口角があがりすぎて痛いです。もっとつっこまないと気が済まない。今後、この村井君…もとい、高橋くんが売れてきたら、きっと思い出し笑いをします。格好いいのになー……よくこんな役やったなぁ。