『無貌伝〜双児の子ら〜』

伝奇ミステリって言うのかな?
わりと、「昭和が続いてました」とか「戦争が終わってませんでした」とか「実は全員死んでました」とか「実は江戸が続いてます」とかいう設定が薄ら寒くて好きなんですけど、これもその属するものかなー?て感じです。地名がちゃんと日本チックなのに、どことなく、ちぐはぐな感じ。まほろさん程ではないし、大塚さん程とんでもないこともないけど。やっぱりちょっと寒気がする感じ。
その雰囲気は好きなんですけど、探偵小説としてはあんまり好きじゃないかな? 本格なんだけど、探偵も主役?も甘い感じ。「ヒトデナシ」という制約がうまく機能していたりいなかったり…な感じ?
ただ、「探偵が人を救えると思うな」という秋月さんの信念というか、強い思いというのはなかなか真面目で好き。探偵なんて不幸の象徴だもんなぁ。それをおもしろおかしく出来る人の方がどうかしてるんです。
ただ、シリーズ2冊目を読むかどうかは微妙な感じ………。うむむむ。
少年の成長の物語なのではなくて、これはひょっとして、探偵の復活の物語なのか…?

無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)

無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)