舞台「EXTRAEXTRA」

見て来ました。

エキストラ達の涙ぐましい努力の物語。勘違いしたまま生きるのって、結構滑稽だけど不憫でもあるよね……というようなストーリーでした。
自分と現実を知って折り合いをつける必要があるぞ、ということを密かに言ってくるんだけども、でも本気でやり通すんなら勘違いしたままで何がなんでも頑張れ……みたいな?
それが幸せか不幸せかなんて、他人のモノサシでは計れないし、自分のモノサシでもきっと無理だろうな…。
どちらにせよ後悔する瞬間なんて山ほどあるんだろうし。

まぁ正直に言うと、そこまで夢を熱く熱く勘違いしたまま追い掛けた経験もないし(自分の身の上で言うなら例えば「吹奏楽で全国行くぞー!」ととにかく意気込むわけでもなく、「小説家になりたい!!」とかしこたま創作に打ち込んだこともなく、「パン作りの達人になる」と調べまくったわけでもなく)、そこまで響くわけではなかったんですがね。
身の程を知った上で、ちょっとだけ本気めいた振りをしていただけ。
だから素子さんみたいな人を見ると「うっわ……痛い人だなー」て笑うんだけども、同時にちょっと羨ましいよね。そこまで突き抜けられるのが。

Twitterでも書いたんですが、多分「鈍感力」が人一倍強かったり、運をちゃんとつかみ取って無駄にしない人が、どの世界でも生き残っていくのかなー……なんて。まぁのらりくらりと雇われて生活してる身には、今となってはあまり関わりないことなんですが。
自分を知らないでいることもそれなりに重要な時もあるよね。 
自分はこんなにデキるんだと思い込んでそれにズレないように何かをするって実は大切なのかもしれません。自分の目指す自分を演じるみたいな。


「いつまで選ばれるのを待っているんだろう」とか「売れるのって大変だ」というテロップが地味にちくりと突き刺さる人は多いと思うので、勘違いっぷりを笑えるだけじゃないのは良い舞台だな、と思いました。
照明とセットの使い方も秀逸でダレることがなかったのが凄い。


で、寛也さんなんですが………チラシとあらすじ見た時、「あ、これは寛也さんは女優目指す子に現実突きつけるクールで腹立つ先輩とか、業界の闇を見せつけてくる売れっ子俳優とか、そういう感じに違いない……」と期待してたんですが、大きく裏切られました。
友達がチラシ詐欺って言葉使ってたけど、まさにそれ(笑)
あんな格好いい人は劇中にはいませんでした。
でも天然でえへへへへ〜っていう感じのわりと好きなのでわりと満足。
でもこの子演技できんのかな……という心配もありました。台詞とか覚えられなさそう。一瞬売れっ子になっていた瞬間を見てみたいと思いました。

そしてオマール海老太郎さんwwwww
弥次喜多好きにはくすっとなるキャラがいると教えてもらってたけど、あれは卑怯だわー。目線の合わない(おんてぃーびーではやたら視線の合いまくるwこっち見んなww)蝶ネクタイふたつ使いの彼を彷彿とさせました。赤と金は逆だったけどね。ご兄弟とかご親族ではなかろうかと思ったほど。
シンキングタイムで歌うし、強引だし。海老太郎さんは人に絡んでいく芸風で、ジョン次郎の方は人に絡まない芸風だけど、似ていた……ほんと、並んで欲しい。


お花は友人がゴテゴテのピンクで!って注文してくれてました。
なかなか寛也さんにこんな色で贈ることなんてないので、ちょっと新鮮ね。